アリステイデス『ローマ頌詞』について

 アエリウス・アリステイデス(Aelius Aristides、117-181年)は古代ローマのギリシア人弁論家で、丁度ハドリアヌス即位からマルクス・アウレリウスの死去までの、五賢帝時代を生きた人です。「ローマ頌詩」とは、2世紀中盤のアントニヌス・ピウス帝の時代に、アリステイデスが、宮廷で開催された詩作のコンテストでローマの統治を讃えた頌詩です。世界に長期的で安定した平和をもたらしたローマの統治…

続きを読む

古代ローマの人口調査と古代文書史料『Curiosum urbis Romae』、漢代人口調査、16世紀オスマン朝のイスタンブルの人口に関する諸論説

澤井一彰著「16世紀後半におけるイスタンブルの人口規模」(『歴史学研究 ~特集 人口と権力(Ⅰ)』2018年11月号(977号)を読みました。同時代文書史料から穀物配給量の数値を算出し、その結果イスタンブルの人口規模を推計する、という記事です。従来50万から80万という推計値が流通していましたが、それらの数字は厳密なデータに基づいた推計ではなく、多分に印象による数値であることを指摘し、当該年代に…

続きを読む

ハドリアヌス『永久告知録』の出典 および 十二表法の条文数

という記事を作成しました。 十二表法は、前451年に成立した、共和政ローマの基本法です。個別の条文は各所に引用されていますが、全文の内容、構成、条文数等全体的な情報について目にしたことがなかったため、調べてみました。 十二表法は都市国家ローマの法律であり、ローマが帝国化してゆくにつれ、併合した他の都市国家や領域国家の法との兼ね合いが問題となってゆきました。これらの地域では、各地に赴任した属州…

続きを読む

安息国その後 PART2

2005年秋ごろは、中国の漢書から宋書の西域伝に登場する古代イランの記載を調べていました。2005年10月に、『安息国その後』という記事を書きました。『北史』では、安国(ブハラ)が、漢代の安息であり、ゾロアスター教の近親婚の習俗を保っている、と書かれているのを読み、アルサケス朝(パルティア)滅亡後のアルサケス朝勢力が、ブハラで継承されたのでは?との印象を受けたため、そのあたりを記事にしたものです…

続きを読む

最近のパルティア・クシャン・サーサーン朝関連雑知識

(1)クシャン朝のヴィーマ・カドィセス王のOOの発音 ウィキペディアには、「Οοημο Καδφισης(ホオエモ・カドフィセス)」と書いてあります。『後漢書』では閻膏珍と書かれている人です。 なぜ、ヴェーマが閻なのか、ずっと(20年間くらい)疑問でした。ヴィーマが、古代インドの”ヤマ”=閻魔に相当するのではないか、と理解したのは3年くらい前のことです。しかし今度は、ギリシア語のΟοημοが…

続きを読む

初期パルティアの都ニサの復元模型 & メルヴのパルティア要塞ドゥルナリ遺跡

久しぶりに古代イラン関連の調べ物をはじめたら、さまざまな興味深い情報がざくざく情報がでてきてしまいました。見つかるときは一気に見つかります。 (1)初期パルティアの都ニサの宮殿遺跡復元模型 初期パルティアの都、現トゥルクメニスタンの都ニサの宮殿遺跡の復元模型とニサの詳細な資料を見つけました。 トゥルクメニスタン政府作成の、恐らくユネスコ世界遺産登録のための資料『ニサのパルティア要塞(T…

続きを読む

最近の古代イラン関連雑知識

最近と書きましたが、ほとんとが一年間前のもので、残りもここ数ヶ月の間に見つけた古代イラン関連諸情報のメモです。 (1)”アケメネス朝""アルサケス朝""サーサーン朝"の表記が使われだした時期 追記 2013年に「”アケメネス朝""アルサケス朝""サーサーン朝"の表記が使われだした時期」という記事を書きました。近代歴史学においてこれらの用語がいつごろから何を典拠に使い出されたのか、を調べたもの…

続きを読む

2019年冬:最近読んだローマ帝国書籍や論説(主に地方下級役人と後期帝国役人関連)

昨年末に、メアリー・ビアードの『S.P.Q.R』を読んで、古代ローマ史に思考が戻ってきていろいろ読みました。 1)PDF 地方の下級役人、帝政後期の役人中心に読みました。論説ひとつ25-30頁くらいで、全部で16本なので約400-500頁相当、更に碑文翻訳集2本約200頁、合計すると本二冊分にしか過ぎませんが充実していました。かねてより、特にイタリア以外の帝政期地方行政の具体像が知りたかった…

続きを読む

最近の歴史学入門・歴史学方法論関連本の読書案内

 昨年いろいろ最近の歴史学方法論の書籍を読んだことで、関連書籍を整理してみました。ここでご紹介する書籍は、あくまで最近の記事(1)ー(10)(リンクは記事末尾)でご紹介した書籍、及び私が過去に読了した書籍の話です。当初の予定では、年末年始に『これが歴史だ!』を読了し、その他あとニ、三冊の、ここ2,3年で出た新刊の方法論書籍を読んでからこの記事をあげようと思ったのですが、『これが歴史だ!』も2/3…

続きを読む

凄い! ローマ帝国版Google Map " Digital Atlas of the Roman Empire "(DARE)

凄いものを見つけました。サイト、”Digital Atlas of the Roman Empire ”です(以下DARE)。 まさに、古代ローマ版Google Mapです。 もともとスウェーデンのルンド大学の、Johan Åhlfeldt という個人の方が、http://imperium.ahlfeldt.se/ という URLでやっていてたものとのことです。 このアドレスは現在でも公開…

続きを読む