今年は書籍に関しては平年並みでした。映画は激減し、ドラマが増えました。小説と漫画はここ数年同様低調でした。
(1)面白くかつ役に立った書籍
1.日本人のリテラシー(レビュー)
2.ドイツ-起源と前史-(レビュー)
3.現代ギリシアの言語と文学(レビュー)
4.古典の継承者たち―ギリシア・ラテン語テクストの伝承にみる文化史
5.ストーリーが世界を滅ぼす
6・言語が違えば世界も違ってみえるわけ(レビュー)
7.歴史学者と読む高校世界史教科書(レビュー)
8.読み書きの社会史(レビュー)
9.少女マンガはどこから来たの(レビュー)
10.イスラームの西、中華の東(レビュー)
11.神話学入門(松村一男著)
今年上位は年のほぼ前半のもの。6月末以来ツイッターをやっていないのですが、ベストに入った書籍のうちツイッターで知ったのは『イスラームの西、中華の東』くらいです。ツイッターの影響は殆どなさそうなことが確認できたような気がします。
完読できれば恐らくベスト10に入ったと思われる『イタリア語の起源―歴史文法入門』、30頁目くらいで挫折中。来年はなんとか完読したいところです。
(2)役に立った書籍(面白さはわりと普通)
1.ヘレニズムとオリエント(レビュー)
2.思想 2023年7月号(No1191)E.H.カー特集君(レビュー)
3.君主号と歴史世界
4.<中世哲学入門>(山内志朗著)
5.歴史学の作法(池上俊一著)
6.歴史の哲学(渡辺二郎著)(レビュー)
7.古代ポンペイの日常生活(講談社学術文庫)
8.人類の起源(篠田謙一著)
9.ナチスは「良いこと」もしたのか?
10.人を動かすナラティブ
11.言語学の誕生(風間喜代三著)(レビュー)
12.古代エジプト都市百科(レビュー)
13.古代ローマの生活(樋脇博敏著)(レビュー)
14.ギリシャ文化史(レビュー)
15.西アジア・南アジアの帝国(岩波講座 世界歴史 13巻)
16.調べる技術: 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス
17.ボーダー~移民と難民(ルポルタージュ)
その他、動物裁判(池上俊一著)、印欧語の故郷を探る(風間喜代三著)、外国語を学ぶための言語学の考え方(黒田龍之助著)、読み書きの日本史、古代ゲノムから見たサピエンス史(太田博樹著)、などが役立ちました。
昔は、「役に立った書籍ベスト」の書籍は、調べものをする場合の利用が殆どで、だいたい4~7割くらいしか読んでいない書籍でした。文字通り「調べものの役に立った書籍」という意味でのランキングだったためです。完読は稀だったのですが、最近はまったく調べものをしなくなったためか、逆に普通に読んだ完読書籍ばかりとなっています。今年従来的な未完読書籍でランクインしたのは一冊だけ、<中世哲学入門>だけでした。
(3)面白かった書籍
面白かったけれど、既に他書や自身の経験から知っていることが多かったことから、特に役に立ったという所感のなかった書籍はこちらに並べてみました。順位はイメージ的には(1)の続きです。
12.古代ローマの日常生活:24の仕事(フィリップ・マティザック著)
13.歴史学者という病(本郷和人著)
14.中国化する日本(與那覇 潤著)
15.棄国ノススメ(増田幸弘著)
最近は、寝枕に『オルジェイトゥ史』、『後漢書』文庫版第2巻本紀2、『ティアナのアポロニウス1』『ニーティサーラー古典インドの政略論』、 『呉船録・攬轡録・驂鸞録 (東洋文庫) 』『異民族ファラオたちの古代エジプト:第三中間期と末期王朝時代』などを置いて、ほとんど読みもせずパラパラをめくって満足して寝に就くことが増えています。ニーティサーラだけは10年程前に図書館で借りて完読していたのですが、今年購入したので久しぶりにどころどころ読み返したりしています。『後漢書』本紀2は、皇帝伝の後半と后妃列伝となっていて、后妃列伝は殆ど日本語ででている歴史書では言及されていない内容なので興味深く少しづつ読んでます。これ以外は未読なのですが、これらは完読していれば、ベストに入るような感触がある書籍です。が、なんか急いで読まなくても、適当に開いてちらちらと数行の文字を追うだけでも満足して幸せに寝に就くことができるような感じとなっているので、いつ読み終わるのかは予測できないのですが、いつかは読了したいと思っています。
今年は、いつか読もうと思っていて、なかなか着手できなかった本をいくつか消化できました。『ヘレニズムとオリエント』、『印欧語の故郷を探る』『言語学の誕生』『中国化する日本』『古代ローマの生活』などです。
(4)面白かった歴史映画・小説・漫画
今年は母数があまりにも少なく、ベストに選べそうな作品そのものがほとんどありませんでした。順位は、作品がそろっていればこのくらい、というようなものです。
3.蘭亭序之謎(小説)
5.中国鉄釘殺人事件(小説)(小説本文は再読、添付の論説は初読)
9.火蛾(小説)
15.ノースウォリアーズ 魔境の戦い(映画)
歴史映画は通算では数百本は見ているような気がするので、かなりお腹いっぱい、今年も探索する気が出ませんでした。夏場に3年ぶりくらいにIMDbの新作歴史映画検索をしてみたのですが、200本くらい検索したところでやる気が尽きてしまいました。何本か目ぼしい作品がなくはなかかったのですが、いずれも私的にはTier2,3レベルのものでしたのでそのまま放置、、、、今年は京都ヒストリカ国際映画祭もなく(今年度は来年1月末~2月初旬頃の開催とのこと)、マイナーなB級歴史映画をよくやってたGYaoも終わってしまったので、視聴した歴史映画は10本程度となりました。歴史映画をよく見ていた頃の基準でベスト10に入るような作品はなかったのが残念です。とはいえ面白かった映画がなかったわけでありません。それにしても、歴史の小説と映画と漫画は、読んだ作品全部列挙してもこの程度しかない年となりました。
その他そこそこ面白かった歴史映画、最期の決闘裁判、バトル・オブ・ライジング コールハースの戦い、武士道残酷物語、
その他視聴した歴史映画
ベンハー2016年版、、パウロ 愛と赦しの物語 、アベンジャーオブ・スローンズ、雨月物語、ホリデイ・エドの休日、ワンダーウーマンと教授、まぼろしの市街戦、
このうち、『ノースウォリアーズ 魔境の戦い』はマイナーB級作品としては掘り出し物でした。歴史映画は全部で10本程ですが、『RRR』とか『ジェーン』(ナタリー・ポートマン主演の西部劇)とか、第二次大戦中の日本軍の人体実験を扱った『海と毒薬』とか、『チェ28歳の革命』などを入れればもっと本数は行きますが、これらは個人的には歴史映画という感じがしないので除外(入れてもベストには入りそうもありませんが、、、)
その他読んだ歴史小説と漫画では、『ベルリンは晴れているか』、アンナ・コムネナ④ くらいです。『ローマ二人暮らし①』という、古代ローマの日常生活を扱った漫画は、途中まで読んだのですが、残り20頁くらいで挫折中。古代ローマ日常生活ものという、私の好きなジャンルだし、時代考証や著者の視点も悪くないのですが、やはりちょっと少年と女解放奴隷夫婦がいきなり殺伐としたローマで後ろ盾もないまま自活生活を始めるという展開が不自然に感じられてしまうので優先度が落ちてしまった感じです。風呂屋にタイムスリップするのに比べれば史実の範囲内の世界観で良いのですが、、、、、(テルマエロマエも映画でみただけで原作は読んでないのですが、、、、)
今年も『乙嫁語り』『ヒストリエ』最新刊、読まずに終わってしまいました。というか、最新刊が何巻なのかさえ分からなくなってしまっています、、、、
(4)面白かった一般の映画・小説・漫画
1.ヴァレリアン(映画)
2.フォール(映画)(レビュー)
3.三体III(小説)
4.笑顔のたえない職場です(漫画)
5.REC米版(映画)
6.マイスモールランド(映画)(レビュー)
7.地下室のメロディ(映画)
8.あかりとシロの心霊夜話(漫画)(35巻中32冊まで到達。今年7冊消化)
9.ワンス・アポンアタイム・インハリウッド(映画)
10.夜明けまでバス停で(映画)
歴史以外の小説も映画も漫画も多くはないので一緒のランキングに。今年は4月以降近年まれなくらい映画を見ませんでした。すっかりGyaoに依存するようになってしまったことが原因です。Gyao終了までの1-3ヶ月を除外すると月平均3本、4-12月で約30本。Gyao最後の怒涛の公開の1-3月にはかなり見てますから、全体としては60本くらいで例年と同じくらいでしたが、今後もこのペースが続くと来年は年間30本台くらいとなりそうです。映画が年間30本台となれば、17,8年ぶりくらいのことになるものと思われます。
この年間回顧は、誰かの参考になれば、と人に面白かった本や有用な本を紹介するためもあって書いているものですが、『あかりとシロの心霊夜話』については、まったく推奨するものではありません。二時間ドラマのような漫画なので。この作品が気に入っている理由は以下の3点です。
①コミックには必ず作者の各話に関する短いコメントが掲載されているのですが、そこに書かれた作者の姿勢が好きだから。
作者はよく、新聞やニュースでの子供や高齢者の虐待や、不条理な犯罪についての報道に憤って作品を作ることが多いらしいのですが、その心情が好きだから。著者の、善人が報われる社会であって欲しいという願いが具現化した作品となっています。とはいえ裏を返せば現実がいかに救いようのない社会か、ということが実感されてしまう側面もあるわけですが、、、、
②どうも主人公の生活圏が、中央線沿いっぽく、長年住んだ地域の生活圏に近いような雰囲気があるから(杉並か中野区の中央線より北の住宅地と商店街的雰囲気)。主人公が学生の時住んでたところの近くの公園は中野区立図書館裏の紅葉山公園がモデルに見えるとか、馴染のある生活風景がわりとすき。
③現在ではノスタルジックとなってしまった世界を描いている、というところ。
昭和の香り満載の下町人情モノ的なところがあるため、率直に言って21世紀現在の現実の大都会ではほとんどない世界観といっていいと思いますし、30年くらい舞台のモデルと思われる杉並・中野に住んできましたが、アパートやマンションの隣人の名前はおろか、顔さえひとりも知らないというのが私にとっての現実です(もっとも、真下の部屋の住民の顔は知っていたリする。なぜなら階を間違えて自分の部屋と勘違いして扉を開けてしまったことが何度もあるから。しかし、東京都心で鍵を開けたままという方も常識外れなわけですが、、、)。恐らく作者が30代くらいのころは、こんな感じの地域が多く残っていたのだと思われますし、作者は今でもその世界を維持できているのかも知れません。私は近所付き合いなどは苦手で溶け込めそうもないので、現実にはこんな感じの地域に住みたいわけではありませんが、ただあこがれはします。自分では実現することもない願望が描かれている、という意味で、本作の世界観がなんとなく好きなわけです。
『ワンス・アポンアタイム・インハリウッド』と『夜明けまでバス停で』は、どちらも現実の映画関係者の事件を元にした作品で、共通点があります。それは、現実には殺害されてしまった主人公が、映画では生き延びる設定となっているからです。やりきれない現実に、そういうラストにしたいという、制作者たちの切ない想いが強く伝わってくる作品でした。映画自体ではなく、制作者たちの想いに心動かされた作品でした。
以下他に面白かった作品や印象に残った作品です。
小説)硝子の塔の殺人、名探偵のいけにえ、さいはての彼女、
映画)草原の実験(カザフ)、聖なる泉の少女(グルジア)、コスモボール(ロシア)、イコライザー(米)、ドリシャム2(インド)、ジャンゴ(米)
漫画)新しいきみへ、地図にない場所、
『新しいきみへ』。完結してしまいました。『アイアムアヒーロー』に似た感じの作品でしたが、『アイアム・ア・ヒーロー』以上の作品となりそうな期待が個人的にありました。が、わりとあっさり終わってしまいました。『アイアム・ア・ヒーロー』では、最後の方は作者個人の想い、しかもルサンチマン的なそれが駄々洩れになっていて白けてしまいましたが、本作も、作者の想い駄々洩れ作品でした。ただし、『アイアム・ア・ヒーロー』とは違って、最初から一貫した作者のテーマだったようです。中退とはいえ京大に在学していた作者ですから、青臭いといえばそういうところもあるかもですけど、私は割と好きです。ただちょっと本作ではメッセージ性が強すぎたような気もします(打ち切りになってしまい、最後詰め込んでしまったのかも知れません。そんな印象が残ります)。作者のメッセージは、こちらの記事『なにかを諦めるということ』にあります。どういう経緯で中退したのか、その後どうなったのかが書かれていますが、最後作者は、「「諦める」とは、ただその時の状態のことを示すだけ」と書いているのですね。実は、『地図にない場所』にも同じようなセリフが登場しています。”スランプとはただの状態であって、自分がダメになってしまったわけだはない”というような台詞です。なにがしかの理由で前向きに歩けなくなってしまった人が、再び歩き出す、というテーマが共通しているような気がします。『地図にない場所』は癒しによるもので、本作はより行動的でアグレッシブ、という違いはありますが、、、
ここ数年、いつか見ようと思っていて後回しにしてきた映画をすこしづつ見るようになってきていますが、今年も何作かありました。
Tier1の作品としては、『地下室のメロディ』と『雨月物語』です。
Tier2は、ヤコペッティ『世界残酷物語』
Tier3、海と毒薬、スピーシーズ、PROMISE、私は二歳、2016年版ベンハー、まぼろしの市街戦、
『地下室のメロディ』、CMなどで頻繁に使われている誰もが知ってるテーマ曲が、この作品のものだったとは初めて知りました。しかし、私にとってインパクトがあったのはエンディングの曲の方です。むちゃくちゃ気に入ってしまい、特に気に入った30秒くらいの部分はもう数十回聴いてます(トランペットの主旋律の裏の伴奏のピアノの旋律部分)。この感じのピアノの旋律、似たような曲をどこかで聴いたような記憶があるので、どの曲だったのか、ずっと思い出そうとしていますし、今後も探し続けるつもりです。
ヤコペッティ『世界残酷物語』、世界各地の残酷な風習を集めたヤラセ込みドキュメンタリーだと思っていたら、違っていたので驚きでした。人食い風習とかが濫発するのかと思っていたら単に各地の奇習を集めただけ。日本も登場していたのも驚き(ぜんぜん残酷でもなんでもない内容でしたが)。
(5)面白かったドラマ
映画が減少したのに代わり人生最大レベルで急増したのがテレビドラマ。こんなにドラマを見るようになったのは小学校3~4年生くらいの年以来です(それ以降は映画に移行したため)。TVerとNHK Plusで視聴。
1.シェトランドS1-4
2.ルーズベルトゲーム
5.VIVANT
6.下剋上球児
7.最高の教師
8.ハヤブサ消防団
9.うちの弁護士は手がかかる
10.どうする家康ラスト10話
NHK大河『どうする家康』 全部で15話くらい見ました。最初に見た、信長の城を訪ねた回では、城の映像がゲーム映像に見えてしまい、興味をまったく惹かれず、その後見ようと思いませんでした。しかしその後、築山についてのNHK特番で興味を持ち、築山事件の回(いわゆるお花畑の回)を視聴し、以降、三方ヶ原の戦い、本能寺の変、小牧長久手の回など有名事件の回だけ飛び飛びでみて、第38回朝鮮戦役以降はおおむね全部見ました。38回以降ずっと見てしまったのは、ムロツヨシの怪演によるところが大きいかも知れません。第38回の、家康と秀吉の最後の対面時の、秀吉の「あとはおめえがどうにかせい」というの、刺さった組織人て、結構いるんじゃないでしょうか。どっかで見たことのあるシチュエーション、、、、こういう上司っていますからね。
これでムロツヨシに興味を惹かれてしまって彼が主役のドラマ『うちの弁護士は手がかかる』を見てしまいました。その『うちの弁護士』第一話の冒頭も組織人には刺さりそうな案件。「あんたのかわりなんていくらでもいるのよ」と勤続30年の職場から放り出されるムロツヨシ、、、、、、、ドラマは前半に比べると後半いまいちだったりしましたが、ストーンズ『アングリー』をうまく使ったMVみたいなオープニングは秀逸でした。ムロツヨシと組む手のかかる弁護士平手友梨奈は『ドラゴン桜2』のバトミントンの人だったのですね、、、『桜』では悪くない演技だけど他の人でもできた役、という印象がありましたが、今回のはハマリ役だったと思います。映画『マイ・スモールランド』の嵐莉菜が金田一少年の明智警視で、ドラマ『invert 城塚翡翠』の清原果耶が探偵、というドラマを妄想してましたが、ここに弁護士平手友梨奈も登場させると面白いミステリードラマができそうな気がしてます。で、彼女たちと対決するカルト宗教組織の教祖がハヤブサ消防団川口春奈、途中公安警察VIVANT阿部寛が一瞬登場、弁護士天野杏の高校時代の担任が最高の教師松岡茉優、その同僚が黒木華で転任先の野球部監督が下剋上越山高校鈴木亮平、越山高校出身者が卒業後就職して所属する野球部がルーズベルトゲーム青島製作所。私の頭の中では今季楽しめたドラマが全て繋がってしまいました。。。。。。という妄想が加速してきてしまい記事が書き終わらなくなってしまいそうなので強制終了
ところで、今気づいたのですが、生瀬勝久、ハヤブサ消防団、下剋上球児の両方に出ているのですが、私の脳内では同一人物になってしまいました。横田先生は岐阜県八百万町出身で三重県の越山高校に赴任していたわけですね(強制終了
あとひとつ。ルーズベルトゲーム、下剋上球児と、今は高校野球のみならず、甲子園経験者の俳優が多いのに驚きました。むかしは俳優の投球場面では、断片的なカットでごまかしていることが多かったのですが(実写版『野球狂の詩』の水原勇気とか)、今は普通に投手、しかも才能ある投手役としてそのまま投球シーンが撮れるのがスゴイ。
「どうする家康」に戻りますと、私は一部しか見てないので、全体を通すとイマイチなのかも知れませんが、最後しり上がりによくなっていったように見えました。最終回の前の回とその前の回(46,47)は凄い。特に47話はいわゆる神回ではないかと思いました。私の感想は、知恵袋の「家康」感想合戦のこちらのQ&AのPZOさんの回答に近いのですが、一点違うところもあります。
PZOさんは、「このドラマには「積み上げ」というものがない」と書いてます。これは私も感じたところであって、個別に印象的な場面/演出/脚本/演技はあるのですが、どうにもドキュメンタリー番組に登場する再現映像の集まりのように見えてしまうところがわりとあちこちで感じられ、繋がりに説明不足というより接続不能の断裂を感じることが多々ありました。私の場合、飛び飛びで断片的に見ているだけだからかも、と思っていましたが、全部見ている人が同じ指摘をしているのなら、恐らくそうなのでしょう。従って、46、47話が凄いと思えるのも、それ以前をちゃんと見ておらず、大河ドラマとしての一貫性を意識しないでいられるからであって、ずっと見ていたら白けてしまうところが目についてしまったかも知れません。
その上で、PZOさんの回答と異なる点は、最終回ラストで家康が、瀬名との会話を回想する場面。PZOさんはこのように書かれています。
「このシーン、何で瀬名が生きてる時の回に時系列通り挿れなかったのか」
私も一応築山事件の回は見ていたのですが、ラストの回想場面は記憶になかったので、視聴者に築山事件の回はお花畑と批判されたので、後だしじゃんけんのように最終回に入れてきたのかな(ここまではPZOさんと同じ)、いや結構ちゃんと見てないから、見落とした場面にあったのかな、とか思ったのですが、が、もう一つ進めて、人間は、自分の記憶を歪曲するものであるのだから、家康の回想の瀬名の台詞は、「現在の自己正当化のために美しく、都合のよい記憶に改竄してしまったもの」と考えるべきではないか、と解釈することにしています。というか、これこそ現実的なありかたでしょう。
とはいえ、そういう演出(記憶の歪曲)だとしても、これはドラマなのだから視聴者にそのようにわかるように寺島しのぶに解説させるとかするべきでした。まあでも、戦乱が常態化している状況で育った家康に持続的平和の志向がどのようにInputされていったのか、が一つの見どころだと思っていましたので、方向性としては悪くはないと思っていました。築山事件のあれはちょっとやりすぎだとは思いましたが、終盤どう落とし前をつけるのか、というところがムロツヨシ退場後の見どころでしたので、わりとうまくつなげていけたように見えました。47回は、和久井映見の北政所もよかった。鈴木杏、原菜乃華もよかった。しかし個人的に一番印象に残ったのは、47回ラスト秀頼の、「ともに乱世の夢を見ようぞ!」「えいえいおー」の場面でした。この場面、盛り上がった場面なのに、どうしてCGつかってエキストラを数百名くらいにしなかったのか。せっかくの場面なのに数十名のエキストラでは寂しすぎです!
46-47回の大阪の陣の大阪城への砲撃場面も映画なみのクオリティで、最初にゲーム映像に見えて失望した信長の城の場面とは大違い、NHK大河も(もしかしたら日本の歴史映画としても)、ようやく大建築や都市の遠景について、脳内修正せずに見れるレベルに達したとの印象を受けました。私の中では今でもNO1大河は89年の中井貴一版『武田信玄』なのですが、戦闘場面や大建築、都市の遠景などはまったくしょぼいレベルでしたので、やっと欧米歴史映画並みになったとの手応えを感じました。主題曲も特徴的でよかった。
昨年今年と、大河ドラマの後半1/3くらいを視聴していて、こんなに大河を視聴したのは2013年の『八重の桜』以来のことです(八重の桜は鶴ヶ城開城までの29話まで見た。会津は以前年1回くらい週末旅行していたので)。その前に大河を1/3くらい見たのは2001年の『時宗』になりますから、これは昨年と今年の大河が特に私好みだったのかも、と思ったものの、恐らくコロナで実家暮らしとなったことも関係しているのではないかと思います。というのも、朝の連続テレビ小説も断片的とはいえ、全体のストーリーがわかるくらいは見るようになってしまっていて(朝の連続テレビ小説を見るのは小学生以来です)、それが2022年の『舞い上がれ!』以降なのです。『舞い上がれ!』は2022年10月3日からの放映で、私が『鎌倉殿の13人』を毎回見るようになったのは9月4日の第34回以降なので、だいたいこの頃からかなりの頻度で大河ドラマと連続テレビ小説を見るようになってます。この頃何があったのか、といえば、父の介護の一環で、テレビを増設して食堂に古いテレビを置くようになったから、両親が見ている番組が自動的に目に入ってしまう、ということに今気づきました。結果NHKの視聴機会が増え、それが呼び水となって自室のパソコンでNHK Plusで後から大河を見るようになった、、、、ということなのでしょうね。おかげでますます調べものや本を読む時間が無くなってしまっている状況なのでした。
これままずい、、、、私は小学生のころ以外、映画とドキュメンタリー以外はテレビは殆ど見ず(そもそもテレビを持っていない時期の方が長い)、ゲームもスマホいじりもしないので、その分映画と読書と調べ毎に時間を傾注することができてきていたわけですから、こんなことを続けていては堕落してしまう、、、、来年からは心を入れ替えようと思ったものの、来年の大河は平安時代なのですよね。『平清盛』は、戦乱が好きではないのと松山ケンイチ清盛のイメージがしっくりこなかったので最初の数話だけで見るのをやめてしまったのですが、紫式部は私の好きな平和な時代。最初から全力で見る予定です(挫折するまでは)。
ところで、今年は長年の懸案事項(という程のものではないが)、海外でも知名度の高い名作『雨月物語』を漸くみました。きっかけは、『中国化する日本』で言及されていたから。この本、結構映画に言及されていて、巻末の参考文献一覧の末尾には、言及映画一覧までついていて、面白そうな日本映画がかなり紹介されている本なのです。『郡上一揆』とかdvdが高額なので見れていませんが、機会があれば見てみたい作品が多く、この点でも有用でした(というか、この点が一番この本で有用だったかも知れない)。
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