所感:アーサー・C・ダント著『物語としての歴史 歴史の分析哲学』(文庫版)、ちくま学芸文庫、2024年 /  「一物理学者が観た哲学」 谷村省吾 / 『歴史学はこう考える』松沢裕作著、ちくま新書、2024年 ver1.01

絶版中古高額で入手の難しかった有名書籍の文庫版での再販。ありがたいことです。イメージ通りの内容でした。全13章ですが、論集に近い感じです。基本的に順番に読む構成となっていますが、なかには前の章を読まなくても読める章もありそうです。しかし、分析哲学と科学哲学周辺の論争の部分もあり、そうした部分は議論の前提を理解している人を対象として書かれているため、いきなり本書を読む人にはわかりづらいところもあり…

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感想・紹介:『裁判官と歴史家』 1992年 カルロ ギンズブルグ著,上村忠男訳, 堤康徳訳、平凡社 

歴史学の方法を、警察による捜査や裁判に例えることはしばしば目にします。本書がそうしたタイトルであることと、著者のギンズブルグがその後歴史学方法論の本を出版し、ヘイドン・ホワイトとの間で方法論論争を展開したことから、本書も歴史学方法論の本だと思い、読んで見たものです。しかし少し違った本でした。本書は、20世紀後半のイタリアにおいて「鉛の時代」とされる、左右テロが激しさを増した時代の大きな事件の一つ…

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感想・紹介:池田さなえ著『笑いで歴史学を変える方法 歴史初心者からアカデミアまで』(2024年、星海社新書)

著者が主催している論文誌活動「Historia Iocularis(いお倉)」の理論編(解説本)であるとともに、歴史学を社会学的に描いた本です 本書のタイトル「笑いで変える歴史学」の語的インパクトから形成される、事前知識を持たない多くの読者の想定と期待からすると、カバー扉や「はじめに」での宣伝文は、 「「笑いで変える歴史学」とはイグ・ノーベル賞の歴史学版です!、サンキュータツオ著『ヘンな論文…

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感想・紹介:ダニエル・ウルフ著 『「歴史」の世界史 (ミネルヴァ世界史〈翻訳〉ライブラリー) 』2024/7/23南塚信吾 (監修, 翻訳), 秋山晋吾 (監修), 小谷汪之/田中資太 (翻訳)

(1)感想・紹介 ジャンルとしては、史学史のグローバル・ヒストリーの本です。”世界史学史(史学史のワールドヒストリー)”ではない点注意が必要です。一般に、ワールドヒストリーとは、個別の地域史を併記(或いは合算)することで世界全体の歴史を描くタイプの歴史叙述とのことです。極端に言えば、各地域史の担当者が、個別の問題設定、焦点、歴史観でばらばらに書いても成り立ちます(さすがに地域Aを政治史、地域B…

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2024年1~4月:最近読んだ書籍、視聴した映画、購入した書籍など(2) ver1.1

(1)面白かった本(その2)☆☆☆☆ 〇増田幸弘 (著)『棄国ノススメ』(2015年、 ‎ 新評論)  これに関してブログ記事を書きました。長文となりすぎて終えることができずサスベンド中。ここでは簡潔にします。 一言でいえば、「黒いチェコ」。著者の『黒いチェコ』が題名詐欺だったのに対し、こちらは真正「黒いチェコ」。約3/5がチェコ、2/5がチェコの後移住したスロヴァキアの話。著者のWeb記…

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今の時代にこんな本を読んでいるという壮大な時間の無駄に着手しているという話:ブライアン・ターナー著『ウェーバーとイスラーム』(原著1974年、日本語版1986年) ⇒ 読了後書評も追加

このところブライアン・S・ターナー(1945―)著『ウェーバーとイスラーム』をすこしづつ読んでます。本当に少しづつなのでいつ読み終わるかわからないため、とりあえず所感を書いてしまうことにしました(が、その後意外に早く読み終わってしまったので、全体所感を追記しています。最初の原稿は「(1)のうがき」とし、読了後の通常書評は(2)としました)。 (1)のうがき:壮大な時間の無駄 本書は、原著19…

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歴史学方法論書籍紹介『歴史をどう書くか―歴史認識論についての試論 』、ポール・ヴェーヌ著 (叢書ウニベルシタス) ※アマゾンに削除され、理由の問い合わせにも回答をもらえなかったため、こちらに転載することにしたレビューです)

〇レビュータイトル :「歴史は科学ではない」けれども、「歴史学は学問では無い(歴史小説と同じ)」とは書かれていない点に注意が必要です,〇本文 (私の見落としの可能性もありますが)邦訳書では、常に「歴史」という用語が用いられ、「歴史学」という用語は登場していません。研究対象である「歴史」と研究主体である「歴史学」と、「歴史学に用いられる分析装置」を明確に書き分けず、「歴史は」「歴史家は」という文…

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2022年に読んだ歴史学方法論の書籍 ver1.2

(1)小田中直樹著『歴史学のトリセツ』(ちくま)(2022年)  これについてはどうしても書きたい部分についてはアマゾンレビューに記載しました(こちら)。アマゾンレビュー最長(1万字越え)となってしまいましたが、どうにも焦点化されがたい部分のように思えたため、文字数を要しました。ブログに書くような長さですが、最近はもうレビューの投票数は気にしなくなったため、書きたいことを書いてしまいました。投…

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2022年春:最近聴講した歴史学方法論関連のセミナー/ピーター・バーガー関連/アミン・マアルーフ関連/パブリック・ヒストリー関連 その2

先月以下のオンラインセミナーを聴講しました。どれも歴史学方法論として関連があるため同じ記事で紹介します。 【1】日本社会学史学会関東例会 2022年5月14日 池田直樹(大阪工業大学)「バーガー社会学とその後の展開」【2】2022年度日本中東学会公開講演会『中東を越えて:中東の内/外で書く』(アミン・マアルーフ氏との対話)【3】歴史コミュニケーション研究会 2022年5月20日 佐藤 陽太郎 …

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2022年春:最近聴講した歴史学方法論関連のセミナー/ピーター・バーガー関連/アミン・マアルーフ関連/パブリック・ヒストリー関連 その1

今月以下のオンラインセミナーを聴講しました。どれも歴史学方法論として関連があるため同じ記事で紹介します。 【1】日本社会学史学会関東例会 2022年5月14日 池田直樹(大阪工業大学)「バーガー社会学とその後の展開」【2】2022年度日本中東学会公開講演会『中東を越えて:中東の内/外で書く』(アミン・マアルーフ氏との対話)【3】歴史コミュニケーション研究会 2022年5月20日 佐藤 陽太郎 …

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